Japanese
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臨床報告
インドシアニングリーン(ICG)を用いたセンチネルリンパ節生検が有用であった高齢男性乳癌の1例
Effective treatment of breast cancer in an elderly male after sentinel lymph node biopsy using indocyanine green:a case report
藤井 雅和
1
,
折田 雅彦
1
,
春木 貴史
1
,
守田 信義
1
Masakazu FUJII
1
1光市立光総合病院外科
キーワード:
センチネルリンパ節生検
,
高齢者
,
男性乳癌
Keyword:
センチネルリンパ節生検
,
高齢者
,
男性乳癌
pp.1029-1032
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211275
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要旨
症例は87歳の男性で,主訴は左乳輪下腫瘤.精査にて左乳癌と診断した.触診,画像上で左腋窩リンパ節の腫脹は認めなかった.胸筋温存乳房切除術+センチネルリンパ節生検(SLNB)を施行した.SLNBは色素法+インドシアニングリーン(ICG)蛍光観察法で行った.病理組織診断は,invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma, T1, N0, M0, stage Ⅰ, ER(+), PgR(+), Her2(0), Ki-67 5〜20%, Luminal B(Her2陰性)であった.本症例は皮下脂肪が少なく,ICG蛍光観察法でリンパ流の流れが明確にとらえられ,確実にセンチネルリンパ節を同定しえた.色素法とICG蛍光観察法を併用したSLNBは男性乳癌においても安全・有用に施行でき,かつ術後の合併症や侵襲を軽減することができる手技であると考えられた.
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