Japanese
English
臨床報告
食道胃接合部悪性黒色腫の1例
A case of primary malignant melanoma of the gastroesophageal junction
杉浦 清昭
1
,
永瀬 剛司
1
,
中川 基人
1
,
山本 聖一郎
1
,
金井 歳雄
1
,
赤坂 喜清
2
Kiyoaki SUGIURA
1
1平塚市民病院外科
2東邦大学大学院医学研究科先端医科学研究センター組織修復病態制御学分野
キーワード:
悪性黒色腫
,
食道胃接合部
,
5-S-CD
Keyword:
悪性黒色腫
,
食道胃接合部
,
5-S-CD
pp.1033-1037
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211276
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要旨
症例は72歳,男性.2012年10月,近医で胃腫瘍性病変を指摘された.当院では胃噴門部大彎にtype 2病変を認め,生検にて悪性黒色腫と診断された.悪性黒色腫の腫瘍マーカーである5-S-CDは11.9 nmol/Lと上昇していた.食道胃接合部悪性黒色腫の診断にて胃全摘術,下部食道切除を施行した.術後補助療法としてDAV療法を開始したが,経過中に皮膚転移,肺転移および肝転移が出現し,5-S-CDも95.9 nmol/Lと高値を認めた.以降化学療法は施行せず,術後6か月目に永眠された.本症例においては血清5-S-CD値が病勢の進行とともに上昇し,予後不良を示唆している可能性が示された.食道胃接合部原発の悪性黒色腫は一般に予後不良と考えられるが, 血清5-S-CD値の経時的な測定が経過を追う際の一助となる可能性がある.
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