Japanese
English
臨床報告
急性虫垂炎に併発した上腸間膜静脈血栓症に対し保存的加療で奏効した1例
A case of superior mesenteric vein thrombosis accompanying appendicitis treated with conservative therapy
宇野 秀彦
1
,
藤田 昌久
1
,
伊藤 博
1
,
石川 文彦
1
,
新田 宙
1
,
宮崎 勝
2
Hidehiko UNO
1
1深谷赤十字病院外科
2千葉大学臓器制御外科学
キーワード:
急性虫垂炎
,
SMV血栓症
,
抗凝固療法
,
腹腔内膿瘍
Keyword:
急性虫垂炎
,
SMV血栓症
,
抗凝固療法
,
腹腔内膿瘍
pp.632-636
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211182
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要旨
症例は39歳,男性.発熱,下腹部痛を主訴に当院へ搬送となった.血液検査で炎症反応が高値を示し,腹部単純CTで虫垂の腫大を認めたため,急性虫垂炎と診断し,抗菌薬による保存的加療を行った.発熱,下腹部痛は速やかに改善したが,肝酵素の上昇,黄疸の出現を認めたため腹部造影CTを施行したところ,SMV血栓症の診断に至った.抗菌薬および抗凝固療法による保存的治療のみで急性虫垂炎,SMV血栓症は改善した.急性虫垂炎に併発したSMV血栓症の報告は,本邦では11例と比較的稀である.急性虫垂炎に併発したSMV血栓症に対して保存的治療で奏効した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
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