Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下胆囊摘出術時の落下結石により胸壁にまで及ぶ膿瘍を形成した1例
A case of abscess extending to the parapet wall caused by a spilled gallstone during laparoscopic cholecystectomy
福岡 伴樹
1
,
越川 克己
1
,
真田 祥太朗
1
,
宇野 泰朗
1
,
大屋 久晴
1
,
佐野 正明
1
Tomoki FUKUOKA
1
1名古屋記念病院外科
キーワード:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
遺残結石
,
胸壁膿瘍
,
腹腔内膿瘍
Keyword:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
遺残結石
,
胸壁膿瘍
,
腹腔内膿瘍
pp.501-506
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211150
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要旨
腹腔鏡下胆囊摘出時の落下結石は,開腹に移行してまでの回収は不要との見解が一般的であるが,晩期合併症として落下結石が原因となり膿瘍を生じた症例も報告されている.症例は76歳,女性.胆石症に対して当科で腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.約1年6か月後に右側胸部に疼痛を伴う硬結が出現し,CTで胸壁内および腹腔内肝外側に約3 mmの石灰化を含む膿瘍を認めた.経皮的ドレナージで排石されず手術を行った.胸壁は肋間から膿瘍を開放し採石,腹腔内は腹腔鏡下に肝外側と腹膜の癒着を剝離して採石した.その後は膿瘍の再発を認めていない.遺残胆石が原因となって膿瘍を生じることがあり,確実な結石除去を伴うドレナージが必要である.
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