増刊号 Stepごとに要点解説 標準術式アトラス最新版—特別付録Web動画
7.胆・膵
腹腔鏡下胆囊摘出術
倉田 昌直
1
Masanao KURATA
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 水戸協同病院 消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
critical view of safety
,
漿膜下層内外層
,
ss-inner and outer
Keyword:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
critical view of safety
,
漿膜下層内外層
,
ss-inner and outer
pp.224-231
発行日 2021年10月22日
Published Date 2021/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213512
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Step1 術前準備(MRCPまたはDIC-CTによる胆道走向の確認)
腹腔鏡下胆囊摘出術の手術手技の標準化は,およそ0.5%の発生率がある胆道損傷をいかに防ぐかが目的であるといっても過言ではない.胆道損傷を引き起こす様々な原因の一つが副肝管などの胆道走向形態であるため,術前のmagnetic resonance cholangiopancreatography(MRCP)検査による胆管走向の確認は必須である.図1aの矢印は後区域胆管枝を示すが,このような門脈の頭側を弧を描くように走向せず,門脈の尾側を直線的に総肝管に向かって走向する南回り胆管枝の有無に着目した胆道走向の確認が大切である1).図1b左のように後区域胆管枝に胆囊管が合流したり,図1b右,図1cのように胆囊管に後区域胆管枝が合流するような胆道走向形態では,矢印の部分で胆囊管と思って切離した際に後区域胆管枝を損傷してしまうことになるが,これら副肝管の症例はほぼすべて南回り胆管枝であるからである(図1c).ただ,これら副肝管を有する症例であっても,後述する適切なStepを踏むことで胆道損傷のリスクは大幅に減少する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
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