必見! 完全体腔内再建の極意・22
—幽門側胃切除術後再建—B-Ⅰ再建:新三角法
大森 健
1
,
益澤 徹
2
,
藤原 義之
1
,
矢野 雅彦
1
Takeshi OMORI
1
1大阪府立成人病センター消化器外科
2大阪警察病院外科
pp.96-101
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210619
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■■はじめに
腹腔鏡下胃切除後の体腔内吻合による再建は,腹腔鏡下での非常に良好な視野のもと行われ,体型に左右されず安定した操作が可能である.しかしながら,腹腔鏡下での器械吻合器,縫合器の取り回しなどには馴れが必要で,とくにBillroth-Ⅰ(B-Ⅰ)再建においては十二指腸が固定されているため,工夫が必要である.
代表的なB-Ⅰ再建の体腔内吻合法は,金谷らが開発したデルタ吻合である.その方法は,機能的端端吻合を応用したもので,非常に安定した成績が得られ,優れた方法である.
われわれは,より低侵襲性をめざし,pure単孔式腹腔鏡下胃切除術を導入する際,より簡便な方法が必要であった.そこで,開腹術で行われてきた三角吻合を体腔内でも容易に行えるよう改良した新三角法を考案した1).新三角法の特徴は,①完成形は端々吻合で,②ねじれがなく,③虚血域のない吻合であることである.そのため,血流を確保するのに必要な操作がなく,「お作法が少ない」簡便な方法である.それを,従来のmulti-port腹腔鏡下胃切除にも応用し,定型化したので,その手技の手順,コツを述べる.
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