特集 腹腔鏡下胃切除後体腔内再建のKnack & Pitfalls
Ⅰ.腹腔鏡下幽門側胃切除術 2)新三角吻合によるB-Ⅰ再建
大森 健
1
,
山本 和義
1
,
柳本 喜智
1
,
新野 直樹
1
,
青山 佳正
1
,
矢野 雅彦
1
1大阪国際がんセンター消化器外科
キーワード:
胃癌
,
腹腔鏡下幽門側胃切除
,
Billroth Ⅰ再建
Keyword:
胃癌
,
腹腔鏡下幽門側胃切除
,
Billroth Ⅰ再建
pp.11-15
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001002
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腹腔鏡下幽門側胃切除術は,早期胃癌に対する術式の1つとして普及している。消化管再建に関しては,上腹部の小開腹創から直視下に行う体外吻合と,完全腹腔鏡下に行う体内吻合とに大別される。体外吻合は,開腹術と同様の手技で行うことができるため,導入しやすい半面,体型や残胃の大きさなどにより難度が左右されるというデメリットがある。それに対し,体内吻合は体型に左右されることなく良好な視野のもとで行うことができ,安全かつ安定した吻合手技が施行可能である。残胃十二指腸吻合(Billroth Ⅰ吻合。以下,B-Ⅰ吻合)の代表的方法は,金谷らが報告したデルタ吻合であり,縫合不全や狭窄などの合併症も少なく安全な術式である。デルタ吻合は側側吻合であり,ステープルライン間の虚血域を作らないように注意が必要である。われわれは,開腹術で行われてきた端々吻合である三角吻合を,腹腔鏡下で安全かつ安全に行えるよう工夫した新三角吻合を考案し,これまで約400例に行い,吻合関連の合併症(縫合不全,狭窄)を認めず安全に施行可能であった1)。本稿では,新三角B-Ⅰ吻合の手技を述べる。
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