FOCUS
専門医制度とNCDのこれから
北郷 実
1
,
北川 雄光
1
Minoru KITAGO
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.92-94
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210618
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はじめに
わが国における専門医制度は,外科専門医制度を含め基本的に各学会が独自に認定した制度であり,その基準や医師像も様々で,国民から理解しにくいなどの問題点が指摘されてきた.2013年4月に厚生労働省内「専門医の在り方に関する検討会」の答申が公表され,日本専門医制評価・認定機構によってこれまで策定されてきた専門医制度改革の方向性が支持された.2014年5月,新たな第三者機関である「一般社団法人日本専門医機構」が発足し,専門医制度改革が加速度的に進められている.
2011年1月より,日本外科学会および関連学会の手術実績について,National Clinical Database(NCD)に登録することが義務化された.このNCDは,①外科関連の専門医のあり方を考えるための共通基盤の構築,②医療水準の把握と改善に向けた取り組みの支援,③患者さんに最善の医療を提供するための政策提言,④領域の垣根を越えた学会間の連携,をめざして設立され,これまでのところNCD登録は順調に行われている.
本稿では,日本外科学会がめざしてきた外科専門医制度と,新しい専門医制度・NCDの今後の展望と期待について述べる.
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