Japanese
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特集 食道癌の手術
左開胸・開腹連続切開による下部食道噴門部癌根治手術
Radical operation for carcinoma of the lower esophagus and the cardia by combined thoracoabdominal approach
安藤 暢敏
1
,
篠沢 洋太郎
1
,
大森 泰
1
,
阿部 令彦
1
Nobutoshi ANDO
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.921-925
発行日 1989年7月20日
Published Date 1989/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210400
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下部食道噴門部癌に対する術式として,左開胸・開腹連続切開によるアプローチは,胸腹移行部の連続した術野を直視下に確保でき,開胸開腹とはいえ呼吸循環に及ぼす侵襲が少なくその応用価値は高い.大動脈,横隔膜への浸潤癒着傾向が高度でなければ,まず腹部操作を先行させ上行性に郭清を進め,噴門部操作に移る時点で開胸操作を開始し,最後に食道を切離する.横隔膜切開は肋骨弓切離部より,心嚢の横隔膜付着部と左横隔神経の横隔膜への到達点との間を,横隔神経をよけながら食道裂孔へ向けて進める.左横隔神経の胸骨枝の一部は切離されるが,前外側枝および後外側枝は温存されるので,横隔膜機能は損なわれない.
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