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特集 高位胃潰瘍治療の問題点—外科から,内科から
高位胃潰瘍治療の実際—内科から
Medical treatment for high located gastric ulcer
岡崎 幸紀
1
Okasaki Yukinori
1
1山口大学医学部第1内科
pp.1479-1484
発行日 1988年9月20日
Published Date 1988/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210173
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胃の高位潰瘍は,特殊な潰瘍とみられがちであるが,病態生理学的には,他部位,とくに体中部・下部潰瘍とほとんど差異はない.強いていえば,背景粘膜に萎縮の高度の例が多いこと,逆に,胃底腺領域の潰瘍があること,出血の比率の高い傾向があること,である.したがって,高位潰瘍への対処は通常潰瘍と基本的には同じである.
背景胃粘膜の萎縮が高度な潰瘍に対し,H2—blockerをファーストチョイスとすることに疑問の向きもあるが,臨床の記録はH2—blockerがこの部位の潰瘍にもすぐれた治癒率を示している.現実には,他のすべての治療法に抜きんでて,H2—blockerが潰瘍治療に貢献している.ただし,潰瘍治療には,再発予防と難治性潰瘍の問題が残っている.H2—blocker登場後の現在でも,これが,われわれの直面する最大の問題である.
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