Japanese
English
特集 胃・十二指腸潰瘍
手術適応と術式の選択—高位胃潰瘍
Indication and selective surgery for the treatment of highly-located gastric ulcer
榊原 幸雄
1
,
府川 光之
1
,
安藤 道夫
1
Yukio SAKAKIHARA
1
,
Mitsuyuki FUKAWA
1
,
Michio ANDO
1
1愛媛県立中央病院消化器外科
pp.1587-1592
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208478
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はじめに
高位胃潰瘍の定義については一定した見解が得られていない現状にある.外科領域においては,一般に幽門側広範囲胃切除術の切除線(大井の切除線)より噴門側に位置する潰瘍1)や胃癌取扱い規約のC領域または術式からみて胃潰瘍の外科的侵襲にあたり通常の胃部分切除術では不適当な高位の胃潰瘍2)などとされている.著者らは,従来よりDemel線3)(胃半切除線)より上部に位置する潰瘍を一応高位胃潰瘍として取り扱つてきた.
消化性潰瘍の手術適応については,いわゆる難治性潰瘍のみならず,出血,穿孔,通過障害などの合併症を伴う症例でも,その程度や経過により必ずしも全てが絶対的適応になるわけでもなく客観的な一定の基準を設定することは非常に難かしい.しかし,高位胃潰瘍ではいくつかの病態生理学的な特殊性もみられるので,これらを考慮しつつ手術時期を逸しないように注意すべきであろう.
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