特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
肛門部・その他
腸管縫合—Albert-Lembert縫合
吉田 紘一
1
,
渡辺 弘
1
Kohichi YOSHIDA
1
,
Hiromu WATANABE
1
1聖マリアンナ医科大学第1外科
pp.973-976
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210093
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
消化管縫合のうちAlbert-Lembert縫合は2層縫合の代表として,今日でも比較的安全な方法として広く使用されている.特に初心者にとっては運針操作が簡単でしかもAlbert縫合が全層縫合であるために止血効果が十分でその上,抗張力に勝れ,Lembert縫合では漿膜の癒着を確実にすることで早期の縫合不全が少ない等の利点が使用しやすくしている.しかし縫合部の治癒形態からみるといくつかの問題点があり,その克服が重要である.その問題点は,(1)layer to layerに成り難い1),(2)Albert縫合においては粘膜が外翻しやすい,(3)Lembert縫合においては,糸を大きく掛けると内腔の狭小化が起こり,深く掛け過ぎると局所の循環障害を起こし,治癒経過は遅延するなどである.われわれの教室でも,これらの欠点の解決にいくつかの工夫をしてきたのでここに示す.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.