特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
胆道
胆管癌に対するリンパ節郭清
吉田 奎介
1
,
川口 英弘
1
,
武藤 輝一
1
Keisuke YOSHIDA
1
,
Hidehiro KAWAGUCHI
1
,
Terukazu MUTO
1
1新潟大学医学部第1外科
pp.881-884
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210062
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胆管癌の根治手術では,1.胆管に沿う長軸方向への進展,2.周囲への間質浸潤,3.リンパ節転移,などの要素を克服しなければならない.長軸方向への進展に対しては膵頭十二指腸切除あるいは肝切除が,時には両者が同時に施行される.ここでは肝切除を必要としない下部胆管癌に対する私どもの手術方針について述べる.
リンパ節郭清に当たっては,まず遠位でリンパ路を遮断し,逐次求心性に取り進むのが理想である.しかし,最も重要なリンパ流出路である上腸間膜動脈起始部への到達が早期には困難であるため,最後に上腸間膜動脈起始部に集中する手順を取っている.しかし,可及的に系統的に組織を連続性を保ったまま切除すること,肝十二指腸間膜内で胆管を露出させず,肝動脈(右肝動脈は必要であれば合併切除する)と門脈だけを抜き取るように残し,リンパ節を含む間質を胆管とともに一塊に切除することを心がけている.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.