特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
胆道
肝門部胆管切除,肝門部胆管空腸吻合
川原田 嘉文
1
Yoshifumi KAWARADA
1
1三重大学医学部第1外科
pp.885-888
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210063
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝門部胆管切除並びに肝門部空腸吻合術は上部胆管や肝門部付近で狭窄を生ずる良性及び悪性疾患で,肝内結石,術後良性胆道狭窄症,総胆管拡張症,上部,肝門部胆管癌,胆嚢癌の肝門部浸潤等の疾患が適応となる.左右主肝管に癌がある場合には一側の肝葉切除が適応となるが,hilar hepatic resectionを施行した場合の胆道再建術も広義の肝門部空腸吻合術のひとつである.
肝門部胆管の露出剥離の方法として1)肝外胆管を膵上縁から剥離し肝門部胆管に達する場合と,2)浸潤や炎症が強く,肝門部胆管を肝外からは全く剥離・露出することが困難な場合があり,肝実質の一部を切開し,左肝内胆管より肝門部胆管に達する二通りを用いている.
肝門部閉塞の手術,特に胆道再建術としては肝門部胆管との肝内の末梢胆管を用いる術式があり,前者の肝門部胆管空腸吻合としてi) hilar intrahepatic cholangiojelunostomy, ii) hilar hepatojejunostomy, iii) hilar hepato-hepaticojejunostomy, iv) hilar hepaticojejunostomyに分けられる.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.