特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
肝臓
肝静脈の処理
高崎 健
1
Ken TAKASAKI
1
1東京女子医大消化器病センター外科
pp.840-842
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210047
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肝静脈の肝内での分岐形態は症例により,本数,太さなどまちまちであるが,下大静脈への流入部での形態は大きく分けると右肝静脈,中肝静脈,左肝静脈がそれぞれ独立して下大静脈に流入しているものと中肝静脈,左肝静脈が合流して1本となって下大静脈に流入するかたちのものである.左右の肝静脈の位置などは大きく異なる例はまずないと考えて対処すればよいが,中肝静脈が独立している例ではかなりその流入部が移動していることがある.そこで様々な形の切除に際し,左右肝静脈については肝門処理に引き続いて肝外より処理を行っておくが,中肝静脈は肝の切断の段階で肝内からの処理にまわす.短肝静脈の処理についてはあまり重要視されていないきらいがあるが,これらのうち右下肝静脈は最も太く,時には扱いに難渋する例もあり,十分に注意しておかなければならない.
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