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特集 稀な肝悪性腫瘍―画像と病理
胆管細胞癌と類似した画像所見を呈した肝線維肉腫の一切除例
Fibrosarcoma of the Liver Resembling Imaging Features of Intrahepatic Cholangiocarcinoma:A Case Report
有泉 俊一
1,2
,
勝又 泰平
2
,
秋本 伸
2
,
山本 雅一
1
,
高崎 健
1
Shun-ichi ARIIZUMI
1,2
,
Taihei KATSUMATA
2
,
Shin AKIMOTO
2
,
Masakazu YAMAMOTO
1
,
Ken TAKASAKI
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
2横浜総合病院消化器病センター
1Department of Gastroenterological Surgery,Tokyo Women's Medical University
2Department of Gastroenterology,Yokohama General Hospital
キーワード:
肝線維肉腫
,
胆管細胞癌
,
慢性C型肝炎
Keyword:
肝線維肉腫
,
胆管細胞癌
,
慢性C型肝炎
pp.577-581
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100450
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要旨 胆管細胞癌と類似した画像所見を呈した肝線維肉腫の一切除例を経験した.患者は54歳,男性.発熱と右季肋部痛を主訴に来院.腹部超音波では,肝右葉に6cmの辺縁が不整で周囲低エコー,内部高エコーな腫瘍を認めた.腹部CTでは,動脈相,平衡相ともに低吸収域を呈した.また腹部リンパ節の腫大を認めた.血管造影では,腫瘍内部はavascularで周囲がリング状濃染像を呈した.血液生化学検査では,ASTとALTが軽度上昇し,HCV抗体が陽性であった.AFP(52.7ng/ml)とPIVKA-II(65mAU/ml)の異常を認めた.胆管細胞癌の診断で肝右葉切除を施行した.摘出標本肉眼像では,辺縁不整な白色調の硬い6cmの腫瘍であった.病理組織学的には線維成分が豊富な紡錘型細胞から成り,免疫染色ではvimentinだけが陽性で肝線維肉腫と診断した.
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