Japanese
English
特集 肝切除のコツを知る―出血を少なくするために
Arantius管牽引法による左肝静脈の肝外処理
Aranitius'ligament approach to the left hepatic vein
杉山 政則
1
,
阿部 展次
1
,
森 俊幸
1
,
跡見 裕
1
Masanori Sugiyama
1
1杏林大学医学部外科
キーワード:
Arantius管牽引法
,
左肝静脈
,
肝外処理
Keyword:
Arantius管牽引法
,
左肝静脈
,
肝外処理
pp.987-991
発行日 2005年8月20日
Published Date 2005/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100157
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要旨:従来,左肝静脈を単独に肝外処理することは困難とされてきた.教室ではArantius管を切離・牽引することにより左肝静脈を肝外でテーピングしている.これは,(1)Arantius管は門脈左枝から左・中肝静脈合流部または左肝静脈根部の背側面へ向かう,(2)左肝静脈の根部は肝外に存在する,という解剖学的知見に基づいている.実際には,まず左・中肝静脈共通幹の腹側面を露出する.つぎにArantius管を上中1/3の部位で結紮切離し,切離端を頭側左側へ強く牽引する.左・中肝静脈の股の部分の線維性間隙の背側面が明瞭となり,ケリー鉗子を背側から腹側へ通し,左肝静脈をテーピングする.本法は安全かつ容易で有用な手技である.
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