特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
肝臓
グリソン一束処理による肝切除
高崎 健
1
Ken TAKASAKI
1
1東京女子医大消化器病センター外科
pp.838-839
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210046
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近年肝癌に対する肝切除は根治性,安全性の面より系統的肝切除術が標準的となっており,肝葉切除においては肝門部にて肝動脈,門脈,胆管の3者を個々に切断してゆく,いわゆるcontrolled methodが行われている.しかし小さな範囲の切除に際してその領域のみの脈管系は肝内において分岐しており,その部ではいわゆるportal triadが結合織に包まれたglisson鞘として一束となっており,個々の脈管を確認することはむしろ困難である.そこで肝葉切除,区域切除,さらにどのような小範囲の切除についても系統的な切除を行わんとするときに脈管系の処理をglisson鞘単位で考えて行っていこうとするのがグリソン一束処理による系統的肝切除である.
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