Japanese
English
特集 集中治療を要する術後合併症
急性肝不全
Acute hepatic failure
川原田 嘉文
1
,
野口 孝
1
,
横井 一
1
,
吉峰 修時
1
Yoshifumi KAWARADA
1
1三重大学医学部第1外科
pp.181-191
発行日 1988年2月20日
Published Date 1988/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209924
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
術後重症な合併症の1つとして肝不全が挙げられる.われわれは最近10年間に消化器外科手術1,983例を施行し,うち38例(1.9%)に術後肝不全の合併症を経験したので,それらの原因,発生時期,治療法等を検討した.
これらの肝不全症例中,術後早期の肝不全発生の約60%は術式の過大が原因であり,また4週以後の後期や中間期の肝不全発生例では術前から存在していた高度の肝障害が主な原因であった.術後肝不全合併症の予防は,術前のriskをできるだけ正確に把握し,適切な術式を選択することが最も大切で,次いで術後の集中的管理が必要である.今回は術後肝不全の原因,診断,治療法とその対策について述べた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.