Japanese
English
特集 癌術後follow upと再発時の対策
肝細胞癌
Postoperative strategy against recurrence of hepatocellular carcinoma
牧 淳彦
1
,
森 敬一郎
1
,
嶌原 康行
1
,
山岡 義生
1
,
小澤 和恵
1
Atsuhiko MAKI
1
1京都大学医学部第2外科
pp.1531-1534
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209821
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
最近の各種画像診断技術および術中・術後管理の進歩により,肝切除術は肝癌に対する最も有効な治療法として確立された.しかし併存する肝機能障害に起因する切除量の制限および早期から出現する血行性転移のため未だにその長期予後は満足すべきものではなく,再発の予防,再発時の対策については,更に改善の余地がある.
肝硬変合併肝癌の多いわが国では,術後の肝不全を懸念して縮小手術を選択する傾向にある.しかし,我々が過去に行つた縮小手術の3年後の再発率が60%に達した事への反省から,より根治性を高めるため,2年前からは可能な限り拡大手術に努めている,すなわち,機能的には血中ケトン体比を測定する事により安全性を確認しつつ,また手技的には移植手術に準ずるBio-pumpによる体外循環1)や,血管外科的手技を駆使して,根治を目指す.1985年1月から1987年4月までの間に当教室で行われた212例の肝切除のうち肝細胞癌は116例であるが,今回はその中から,再発の有無,6ヵ月以上の長期予後等について詳細に検討可能であつた62例について分析し,われわれの採用している術後長期管理計画を紹介する.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.