特集 [施設別]悪性腫瘍治療方針のプロトコール
胆嚢癌治療のプロトコール—東京大学医学部第2外科
出月 康夫
1
,
伊藤 徹
1
Yasuo IDEZUKI
1
,
Toru ITOH
1
1東京大学医学部第2外科
pp.889-895
発行日 1987年5月30日
Published Date 1987/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209725
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はじめに
近年,診断技術の進歩に伴い胆嚢癌の治療成績も向上しつつある.しかしながら,黄疸の出現が胆嚢癌発見の契機となることも依然として多い.外科的治療に関しても,胆嚢癌の性状・進展度に応じて手術術式が検討されているものの,一定の見解はない.
教室では,非切除症例および再発例で黄疸の出現した場合には,超音波PTBDを施行している.手術治療としては,術前のUS,CT,血管撮影,胆道造影などで病変の拡がりを判定し,それに応じて術式を変えている.通常は,リンパ節郭清を含む拡大胆摘術を標準術式として採用している1).また最近では,術中USをルーチンに施行し,病変の拡がりの程度を最終的にチェックしている.切除術後には,化学療法,免疫療法を施行している.胆嚢癌治療に際しては,症例ごとに,その進行度に応じたきめ細かなプロトコールが必要である.
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