特集 [施設別]悪性腫瘍治療方針のプロトコール
乳癌治療のプロトコール—慶應義塾大学医学部外科
藤原 潔
1
,
榎本 耕治
1
,
阿部 令彦
1
Kiyoshi FUJIWARA
1
,
Kohji ENOMOTO
1
,
Osahiko ABE
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.974-981
発行日 1987年5月30日
Published Date 1987/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209737
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はじめに
乳癌がsystemicな疾患であるという考えは徐々に受けいれられつつある,一方早期乳癌は手術のみでも良好な予後が得られるため乳癌も早期では局所の疾患であるという考えもある.このように乳癌がどの時点で局所の病変からsystemicな病変になるか見極めることが難しくまた有効な抗癌剤でも完全寛解を得る頻度は少ない. また確実に有効な抗癌剤が得られていないので現在でも初発乳癌には手術がfirst choiceでありこれに補助療法として,薬物療法が併用されている.
再発乳癌では全身的疾患とみなされ,薬物療法が治療の中心をなしている.従つて初発乳癌と再発乳癌にわけて治療法に言及する.
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