Japanese
English
外科医の工夫
経横隔膜的術中超音波検査—肝転移検索のための新しい手技
Transdiaphragmatic operative ultrasound; A new technique for evaluation of liver metastasis
町 淳二
1
,
武田 仁良
1
,
山名 秀明
1
,
藤田 博正
1
,
磯辺 真
1
,
西村 寛
1
,
枝国 信三
1
,
黒肱 敏彦
1
,
山下 裕一
1
,
掛川 暉夫
1
Junji MACHI
1
1久留米大学医学部第1外科
pp.401-404
発行日 1987年3月20日
Published Date 1987/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209660
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はじめに
術中超音波検査(operative ultrasound,以下OUと略す)は,肝臓外科において不可欠の術中画像診断法としてその意義が認められている.開腹後に肝臓を直接走査することによつて,術前の画像診断や術中,視診触診では検出できない肝細胞癌やその娘結節・肝内転移巣や腫瘍栓を診断可能である1-4).また,OUは大腸癌等の悪性腫瘍の肝転移検索にも利用でき2,4,5),術前検査より高い転移巣検出能を有する6).これは,OUでは開腹して肝臓を直接走査できるため,体表からの走査よりもより高い周波数の装置を利用でき,より優れた解像力が得られるためである.
このOUの長所は,従来は開腹中にのみ応用可能であつたが,著者らは,食道癌や肺癌等の胸部悪性腫瘍の肝転移検索のための新しい術中診断法として,開胸術中に実施できる経横隔膜的術中超音波検査(transdia-phragmatic operative ultrasound,以下TDOUと略す)を考案したので報告する.
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