Japanese
English
臨床研究
肺門型肺癌に対する術中超音波検査の試み
Operative ultrasonography for pulmonary hilar cancer
町 淳二
1
,
武田 仁良
1
,
西村 寛
1
,
磯辺 真
1
,
枝国 信三
1
,
黒肱 敏彦
1
,
掛川 暉夫
1
Junji MACHI
1
1久留米大学医学部第1外科
pp.1031-1034
発行日 1986年6月20日
Published Date 1986/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209469
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はじめに
肺癌の進行度の判定や手術術式の選択に対する術前画像診断は,従来のX線撮影・気管支造影や血管造影等に加えて,CTやMRIの導入で急速に進歩をとげている.しかしながら,特に肺門型肺癌において,腫瘍の心・血管系への浸潤程度が不確かなため,肺摘除が可能か,あるいは肺葉切除が可能かまたは肺摘除をせねばならないかに関して,術前検査では決定的な判断が下せない症例を時として経験する.この様な症例では開胸後,血管系と周囲の位置関係が不明なことも少なくなく,組織剥離を進めた上で術中視診・触診によつて切除可能か不可能かを判定せざるをえない.すなわち,肺癌の術中には現在まで有効な画像診断法がなく,視触診のみが術中診断の鍵であつた.
一方,近年の超音波テクノロジー(技術)の進歩と装置の改良を通して,術中超音波検査(operative ultrasono—graphy,以下OUSと略す)は種々の悪性腫瘍の手術中に応用され,腫瘍切除の可能性の術中判定や,実際の切除に際し超音波ガイドとして応用されはじめている1-3).
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