今月の主題 腹部エコー法の現況—癌診断を中心に
超音波の新しい応用
術中超音波検査
山下 裕一
1
,
森岡 恭彦
1
Yuichi YAMASHITA
1
,
Yasuhiko MORIOKA
1
1自治医科大学・消化器外科
pp.1190-1191
発行日 1981年7月10日
Published Date 1981/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217250
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近年,超音波断層装置の進歩はめざましく,とくに実時間表示可能な高速走査装置の実用化により,腹部領域の超音波検査は著しい診断能の向上をみた.そして,術前術後の検査だけでなく,術中に使用できる探触子の開発により,その応用範囲はますます広いものとなりつつある1,2).
たとえば,本邦に多い肝硬変に合併した原発性肝癌症例においては,腫瘍が小さいとこれを確定することは,術前はもとより術中といえども困難なことがしばしばあり,診断のみならず治癒手術を行うため,また可能なかぎり残存肝機能を保持するうえでも,肝内の腫瘍の拡がりを把握することが必要である.
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