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Report from overseas
米国における超音波診断(その6)—その新しい外科分野への応用
Operative ultrasonic diagnosis in the United States: Application in new surgical fields
町 淳二
1
,
Julio C. Beitler
1
,
Lloyd M. Nyhus
1
,
Julio C. U. Coelho
1
Junji MACHI
1
,
Bernard Sigel
1
,
Bernardo Duarte
1
1イリノイ大学医学部外科学教室
1Department of Surgery, University of Illinois
pp.667-673
発行日 1983年5月20日
Published Date 1983/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208313
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はじめに
近年のhigh resolution real-time B-mode装置の導入によつて,超音波法は種々の外科手術の分野に応用されているが,われわれも現在までに,この超音波法を約750例の手術に応用してきた.われわれの臨床経験から,術中における超音波法の検査の対象には,表1に示すような病変が考えられる.結石を含めて異物は,一般に高いechogenicityをもつことから,術中においてかなり小さなものまで検出が可能である,一方,のう包,膿瘍そして拡張した管腔臓器(胆管,膵管など)は,そのsonolucentな超音波画像から,術中に極めて容易に検索できる.また,血管病変(vascular defect)もsonolucentな血管内のechogenicな画像としてとらえられるため,非常に正確な診断が可能である.これに対し,腫瘍や血腫は,echogenicityの点からは,必ずしも術中での診断が容易ではないこともある.
これらの病変を対象として,われわれはすでに,胆道系1),膵臓2),血管外科3),そして腎臓4)の手術において超音波法の有用性を認めてきたが,この術中超音波法を,表2に示すような他の新しい外科の分野にも応用しはじめている.今回は,これらの臨床経験の報告と,各各の手術における超音波法の有用性及び注意点などについて記述する.
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