Japanese
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外科医の工夫
血管内視鏡直達下順向性遊離大伏在静脈バイパス術の新しい試み
A new technique of angioscope in non-rever-sed isolated saphenous vein bypass
橋爪 誠
1
,
楊 岩
1
,
松元 輝夫
1
Makoto HASHIZUME
1
,
Yang YENG
1
,
Teruo MATSUMOTO
1
1ハーネマン大学医学部外科
1Department of Surgery, Hahnemann University School of Medicine
pp.1573-1577
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209560
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はじめに
下肢の末梢動脈閉塞性疾患の治療は,1951年Kunlin1)が逆向性自家静脈移植手術を紹介して以来,飛躍的に発展し,数多くの研究がなされてきた.とくに,代用血管PTFE(Polytetrafiuoroethylene)の開発により末梢動脈再建術の適応範囲がさらに拡大され,膝窩動脈より近位側では自家静脈とほぼ同程度の開存率が得られている2,3).しかし,膝窩動脈末梢側の動脈再建術においては,自家静脈による再建によつても遠隔時の開存率は近位側のそれに比べ依然として低く,好ましい結果を得るに至つていない.そこで,Leatherら4)は,膝窩動脈末梢側の動脈再建に関して,虚血時間が少なく,vasa vasorumや血管内皮細胞が保存され,吻合部での移植血管径の相違が少ないという理由から,in-situ大伏在静脈バイパス術を施行し,3年開存率72%という成績を報告している.
当教室でも,膝窩動脈末梢側の動脈再建術に対し,in-situ大伏在静脈バイパス術を施行したが,弁切開が不確実で,稀に弁切開刀による静脈壁の損傷や動静脈瘻の形成をみる他,手術時間も比較的長時間を要することがわかつた.このため,血管内視鏡の利用に着目し,血管内視鏡下に弁切開術を施行後,in-situおよび非逆向性に静脈移植片を動脈に吻合する方法を試み,最近若干の知見を得た.
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