Japanese
English
特集 重症患者の輸液・栄養
食道癌術中・術後の輸液・栄養
Intra- and postoperative fluid therapy for patients with esophageal cancer
安藤 暢敏
1
,
篠沢 洋太郎
1
,
大島 厚
1
,
大高 均
1
,
田村 洋一郎
1
,
棚橋 達一郎
1
,
北野 光秀
1
,
阿部 令彦
1
Nobutoshi ANDO
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.1129-1135
発行日 1986年7月20日
Published Date 1986/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209485
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食道癌手術により循環動態は大きく変動し,手術操作が広範囲に及ぶため術直後には予想以上にhypovolemiaとなり,高齢者や術後腎機能低下例ではその傾向がより顕著である.さらに2病日後半から4病日にはrefillingのために逆にhypervolemiaとなり,肺内シャント率が増加して低酸素血症が遷延する.したがつて術中は12 ml/kg,hr,0〜1病日には2.5〜3.0 ml/kg,hrの十分量の輸液を行い,3〜4病日には1.5ml/kg,hrに輸液量を制限する.術後のみならず術中からも血漿製剤を併用し,術直後の血漿膠質浸透圧の低下を防止する.4病日には蛋白代謝が同化相へ移行する可能性があり,この時期にfull strengthへcalorie upするTPN管理により,窒素平衡を早期に正へ転換し得る.
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