特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅲ.検査,保存的処置と薬物療法
EST
山川 達郎
1
,
三芳 端
1
1帝京大学医学部溝口病院外科
pp.754-755
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209366
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□EST施行前の患者の管理
ESTは,内視鏡下に十二指腸乳頭開口部をパピロトームに高周波電気を通電し切開し,胆道系疾患の診断・治療に応用するものであるが,手術に耐えられない重篤な急性閉塞性化膿性胆管炎症例などの非手術的治療法として施行されることもあるので,その施行に当たつては慎重でなくてはならない.
全身状態のよい遺残結石や単純な乳頭狭窄症例に適応する場合には,血算,血液凝固学的検査,血液生化学的検査,心電図,薬剤アレルギーの有無(造影剤,抗生剤)などをroutine検査として行つているが,前述した重症胆管炎例や黄疸遷延例では,ショック,消化管出血,腎不全,DICなどを併発しやすいので,血小板数,FDPの増加,血漿フィブリノーゲンの減少,プロトロンビン時間の延長などの凝固学的検査やBUN,尿量,PSP値,血清クレアチニンなど腎機能検査も症例によりチェックする必要がある.また脱水,電解質の是正もむろん大切なことである.
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