特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅱ.救急患者の薬物療法
無尿,乏尿
高橋 宏
1
,
島崎 修次
1
1筑波大学救急部
pp.749-751
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209365
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般に尿量500 ml/日以下を乏尿,100 ml/日以下を無尿という.乏尿,無尿の原因は表1のように3つに分かれる.なお,特殊な型に非乏尿性腎不全(non-oliguric renal failure)がある.これは利尿は得られているが,BUN,クレアチニン等が上昇し,本体は表1の②と変わらない.ただ糸球体濾過率と尿細管再吸収量に差があるだけである.水・電解質異常は伴いにくいので管理はしやすい.
ここでは表1の①②について述べる.重要なことは①の状態が24時間持続すると②に移行するので,①の原因除去は早期に行い利尿処置をとる必要がある.②に移行すると透析療法等を行つても腎機能回復に1カ月以上かかるし,場合によつては慢性腎不全に移行してしまう.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.