Japanese
English
特集 画像で迫る膵・胆道疾患の内視鏡治療―安全・適切な手技を目指して
胆管胆石の治療―EST or EPBD
Removal of Bile Duct Stones with Endoscopic Sphincterotomy or Endosconic Papillary Balloon Dilation
木田 光広
1
,
国東 幹夫
1
,
森木 弘子
1
,
前澤 寧
1
,
北村 陽子
1
,
竹内 一
1
,
菊地 秀彦
1
,
萬屋 基
1
,
竹澤 三代子
1
,
荒木 正雄
1
,
山崎 好喜
1
,
白須 恭子
1
,
鹿間 伸明
1
,
渡辺 摩也
1
,
木田 芳樹
1
,
今泉 弘
1
,
西元寺 克禮
1
Mitsuhiro KIDA
1
,
Mikio KOKUTO
1
,
Hiroko MORIKI
1
,
Yasushi MAESAWA
1
,
Yoko KITAMURA
1
,
Hajime TAKEUCHI
1
,
Hidehiko KIKUCHI
1
,
Motoi YOROZUYA
1
,
Michiko TAKEZAWA
1
,
Masao ARAKI
1
,
Yoshiki YAMAZAKI
1
,
Kyoko SHIRASU
1
,
Nobuaki SHIKAMA
1
,
Maya WATANABE
1
,
Yoshiki KIDA
1
,
Hiroshi IMAIZUMI
1
,
Katsunori SAIGENGI
1
1北里大学東病院消化器内科
1Department of Gastroenterology, Kitasato University East Hospital
キーワード:
胆管胆石
,
内視鏡的治療
,
内視鏡的乳頭バルーン拡張術
,
内視鏡的括約筋切開術
,
管腔内超音波検査
Keyword:
胆管胆石
,
内視鏡的治療
,
内視鏡的乳頭バルーン拡張術
,
内視鏡的括約筋切開術
,
管腔内超音波検査
pp.569-577
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900451
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1974年開発された,内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy:EST)は,その後胆管胆石に対する内視鏡的治療として広く世界で用いられている.しかしESTによる膵炎,出血,穿孔,胆管炎などの問題の解決を期待し1982年Staritzら4)は,内視鏡的乳頭バルーン拡張術(endoscopic Papillary balloon dilation:EPBD)を開発したが,その後の検討で膵炎発症率が高いとされ歴史から一度消えた.1993,94年EPBDはリバイバルされ,その治療効果,偶発症などについて再検討されているのが現状である.EPBDは,やや時間的には長くかかるが乳頭部開大までは容易であり,比較的経験の少ない内視鏡医でも小さな結石ならば容易かつ安全に切石出来る利点がある.一方ESTは,内視鏡医のある程度の技量が要求されるが,ESTが出来ればその大きな開口のため大結石の摘出が容易である.膵炎などの偶発症に関しては,欧米ではEPBDで高頻度とするものもあるが,本邦では同等とするものが多く,長期予後に関しても同等の再発率で,胆嚢炎,胆管炎は低いとするものが多い,現時点でのEPBDの適応は,出血傾向,憩室内乳頭例,Billroth II胃切除後例の場合などでは第一選択とするのは異論がないと考える.しかし,通常の胆管胆石治療については比較的小さな結石とするのが一般的であるが,長期の成績を含めた今後の検討を待って判断されるべきと考えられた.
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