Japanese
English
臨床研究
術後癒着性イレウスの保存的療法—薬物療法の有効性と手術適応
Conservative treatment for postoperative adhesion obstruction:Efficacy of pharmacological treatment and indications for surgery
野口 芳一
1
,
安達 隆治
1
,
須田 嵩
1
,
有田 英二
1
,
有田 峯夫
1
Yoshikazu NOGUCHI
1
1横浜南共済病院外科
pp.1195-1200
発行日 1983年8月20日
Published Date 1983/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208412
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はじめに
術後癒着性イレウスは,術中,腸管の癒着を防止するための種々の対策が考案され,その頻度を減少しつっあるが,いまだ完全には,防止し得ていない.イレウスの保存的療法は,輸液療法を基盤とし,long intestinal tube1)や,oxygen hyperbaric treatment2)の使用により,良好な成績が報告されている.イミダリン及びワゴスティグミンは,以前より本邦にて使用されているが,その治療効果に関する報告は,われわれの調べえた範囲内では,文献上みられていない.われわれは,術後イレウスの治療で,polysurgeryを防ぐ事を主眼に,イミダリン及びワゴスティグミンより成る薬物療法を中心とした保存的療法を,術後癒着性イレウスの治療に積極的に応用し,良好な成績を得ている.保存的療法の効果及び手術適応とその時期を中心に検討し,さらに,若干の考察を試みたので報告する.
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