発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002181550
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消化器外科手術の術後合併症として代表的で最も頻度が高いとされる癒着性イレウスの保存的治療法としては輸液による全身管理,絶飲食,short tube(経鼻胃管),long tube(イレウス管)による拡張腸管内の減圧が中心となる.又,補助的な薬物療法としては腸管運動亢進薬が使用されることが多く,薬剤としてはパントテン酸製剤,neostigmine,prostaglandin F2α,大建中湯などが挙げられる.最近,抗生物質であるerythromycinの消化管運動改善薬としての作用が注目されているが,erythromycinはmotilinのアンタゴニストであり,空腹期運動であるinterdigestive migrating contractionsを誘発するとされている.大腸癌術後の癒着性イレウスに対してのerythromycinの投与により,腸管運動の亢進,排ガス,排便が増加し,中止により一時的減弱が認められた.erythromycinの消化管運動改善剤としての治療効果が示唆された6症例(77・63歳歳女,63・56・74・69歳男)の臨床経過を呈示し解説した
©Nankodo Co., Ltd., 2001