Japanese
English
臨床報告
胆管内ドレナージと放射線療法にて9年間生存した肝門部胆管癌の1例
A report of a patient with choledocal carcinoma in the porto hepatis who was alive for nine years receiving drainage and radiation treatments
高橋 寿久
1
,
斎藤 慶一
1
,
若林 利重
1
Toshihisa TAKAHASHI
1
,
Keiichi SAITO
1
,
Toshishige WAKABAYASHI
1
1東京警察病院外科
pp.1925-1929
発行日 1981年12月20日
Published Date 1981/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207858
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はじめに
胆管癌のうちで,肝門部胆管癌は,外科的治療が最も困難なものであるが,最近では経皮的胆道造影(PTC)1),内視鏡的胆管造影(ERC)2),その他形態学的検査法3,4)の進歩により診断が容易になり,積極的に根治手術がおこなわれるようになつた5-7).しかしながら,本症は黄疸が増強してから発見されることが多く,その時期には癌が進行していて周囲への浸潤,あるいは遠隔転移により,切除不能となる例もきわめて多い.このような例には,試験開腹,肝内胆管ドレナージ,経皮的胆管ドレナージ8)などの姑息的手術となつてしまう場合が多い.進行の早い癌が多いが,一方ではKlatskin9)や他の報告者が述べているごとく,いわゆるslow growingの癌もある.われわれも肝門部胆管癌で,胆管内ドレナージと放射線療法にて9年間生存した1例を経験したので,slow growingの肝門部胆管癌として,貴重な症例と考え,若干の文献的考察を加えて報告する.
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