特集 術後1週間の患者管理
腸重積症
木村 健
1
1兵庫県立こども病院外科
pp.643-645
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207680
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発症後長時間(24時間以上)を経た腸重積症例は,高圧院腸による整復が不成功に終ることが多い.また,ポリープ,メッケル憩室など,腸管の器質的病変によつて起こる腸重積においても,高圧浣腸による整復はきわめて困難である.これらの症例が手術適応となる.腸重積症全体の10%程度を占める.手術症例の約半数は観血的整復,残りの半数は腸切除の適応である.術前長時間を経過した重症例では腸瘻が造設される場合もあるがまれである.
腸瘻造設例を除くと,重積腸管の観血的整復例では,術後24時間以内に経口投与が開始され,術後2〜3日目に退院するが,腸切除例は,術前イレウス状態が長期間継続した症例が多いので,注意深いケアを必要とする.とくに,腸管機能回復機転の判断が重要である.ほとんどの症例で,特に合併症がなければ1週間以内に退院が可能である.
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