特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅸ.乳幼児の外来外科疾患
122.腸重積症
森川 信行
1
Nobuyuki MORIKAWA
1
1国立成育医療センター外科
pp.363-365
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100898
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疾患概念
腸重積症は乳児期に緊急処置を要する頻度の高い代表的疾患である.タイムリーに治療すれば全く問題なく経過するが,診断が遅れると敗血症から致死的になることもあり,決して見逃してはいけない.発生頻度は1,000人に2~4人,男女比は男:女=3:2で,生後5~10か月の離乳期前後に発症することが多い.風邪症状に引き続いて発症し,腸管のリンパ組織であるパイエル板が肥厚して先進部となり,重積により循環障害を生じる.約5%はその他の器質的疾患(メッケル憩室,ポリープ,腸管重複症)が先進部になる.3歳以上の腸重積では小腸の悪性リンパ腫を含め,これらの器質的疾患を考慮する必要がある.
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