特集 術後1週間の患者管理
遊離植皮術
村上 陽太郎
1
1東京大学医学部形成外科
pp.637-642
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207679
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全身管理は特殊な症例を除けば一般的手術に準じるが,安静度,補液,食事,発熱,鎮痛剤・抗生剤の投与について若干の注意が必要である.
局所管理は,採皮部の場合,全層採皮では一期的に縫合閉鎖するか,さもなければ分層植皮で採皮部を覆う.分層採皮では,採皮片の厚さによつて採皮部の上皮形成が完了するのに10日〜3週間位かかるので,その間の処置を誤まると醜い瘢痕を残したり,ケロイドを生じたりする事がある.採皮部に直かに当てた軟膏ガーゼの交換を頻回に行なうと,せつかく,再生しつつある上皮を剥すことになるので包交の時期や方法については慎重を期さねばならない.
植皮部の処置については,局所の安静固定,うつ血による血行障害の防止,感染の予防,血腫・漿液腫発生の防止及びその対策,抜糸の時期等に十分留意する必要がある.
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