Japanese
English
特集 RI診断の進歩
骨腫瘍の診断
Radionuclide imaging of bone tumors
高木 八重子
1
Yaeko TAKAGI
1
1慶応義塾大学医学部放射線科
pp.39-44
発行日 1981年1月20日
Published Date 1981/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207586
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はじめに
骨腫瘍の診断領域におけるRI診断の主なものは骨シンチグラフィであるので,ここでは骨シンチグラフィの最近の進歩を中心に述べる.骨シンチグラフィは骨腫瘍の病変部が健常部よりRI集積の多い陽性像として描出されるため,検出能の高い診断法と評価されており,よりすぐれた放射性医薬品の開発,実用化と検出器としてのシンチカメラの高解像力化における進歩により,外科領域でも重要な検査法となつている.
慶応病院で最近行なわれた500件の骨シンチグラフィのうち,外科系診療科からの依頼によるものは66%と半数以上であつた.外科での骨シンチグラフィの利用をみると,その約90%が悪性腫瘍の骨転移検索の目的で行なわれており,疾患としては乳癌が最も多く(57.8%),肺癌,消化器癌と続いている.いずれの疾患においても一般撮影で骨病変が明かに指摘できない早期に,骨シンチグラフィで転移巣の検出が可能であることや,全身のbone surveyとして患者に対する負担が少なく,くり返し行なえることなどの利点が活用されているものと思われる.
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