視座
悪性骨腫瘍の早期診断
鳥山 貞宜
1
1日本大学整形外科
pp.633
発行日 1982年7月25日
Published Date 1982/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906570
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最近はテレビドラマなどで原発性悪性骨腫瘍患者が主人公として取り扱われることがあるためか,われわれの病院に入院している患者もアドリアマィシンの赤い色をみて自分の病気がどんなものであるかを知り,治療上都合のよいこともありまた悪い点もある.原発性悪性骨腫瘍がドラマになるのは,主人公が若い人で,患肢を切断しても結局は死亡するとの悲劇的な設定のためであろうが,実際には骨肉腫でも5年間生存率は30%以上に達するほど治療成績は向上している.
この悪性骨腫瘍の治療成績を向上させるためには,適当な抗腫瘍剤の選択,新しい抗腫瘍剤の開発も重要であるが,われわれの所で治療を受けて死亡した患者をふり返ってみると,もう少し早く治療を始めることができればあるいは助かったかも知れないと思われる例が少なくない.
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