Japanese
English
特集 膵癌と膵頭十二指腸切除術
合併症とその対策
Pancreatoduodenectomy:prevention and treatment of its complication
土屋 凉一
1
,
山口 孝
1
,
角田 司
1
Ryoichi TSUCHIYA
1
,
Takashi YAMAGUCHI
1
,
Tsukasa TSUNODA
1
1長崎大学医学部第2外科
pp.507-512
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207416
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はじめに
1935年Whippleが報告して以来1),膵頭十二指腸切除術(以下,PD術と略す)は,多数の検討が加えられて,その直接成績は漸次向上の傾向にある.一方では膵頭十二指腸領域疾患に対する診断技術の進歩や,種々の黄疸軽減対策の進歩により,手術適応が十分に選定され,高カロリー栄養法の普及などで術前術後管理法が発達したため,手術死亡率は低下し,長期生存例も散見し得るようになつた2,3).しかしながら膵頭十二指腸領域癌の手術成績はなお芳しくない.早期診断の困難性,閉塞性黄疸にともなう高度の肝障害の存在,さらに疾患自体が高齢者に多いことなどが原因であろう.本稿では,長崎大学第二外科および一部関連病院で経験したPD術の現況と,その直接成績,遠隔成績,さらに術後合併症とその対策について述べる.
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