Japanese
English
特集 胆嚢癌の外科
胆嚢癌肝浸潤例の肝切除術式
Operative procedure for gallbladder cancer with hepatic infiltration
角田 司
1
,
小原 則博
1
,
古賀 政隆
1
,
塩竃 利昭
1
,
寺田 正純
1
,
瀬川 徹
1
,
松元 定次
1
,
元島 幸一
1
,
井沢 邦英
1
,
土屋 凉一
1
Tsukasa TSUNODA
1
1長崎大学医学部第2外科
pp.1743-1749
発行日 1989年11月20日
Published Date 1989/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210555
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
進行胆嚢癌の肝内直接浸潤に対する手術術式に関して自験例をもとに検討した.教室では胆嚢癌の肝内直接浸潤例には原則として肝区域切除術を標準術式としており,肝床浸潤型では肝切除断端(−)が得られたが,肝門浸潤型や肝床肝門浸潤型では肝切除断端が陽性となる症例が存在しており,更なる拡大手術の必要性が示唆された.しかし,これらの症例では他の進展様式,とりわけリンパ節転移をn2以上に認める症例が多く,再発形式では膵頭十二指腸周囲リンパ節や肝十二指腸間膜再発が多かった.これらに肝拡大右葉切除を選択した場合,根治手術とするためには膵頭十二指腸切除と大動脈周囲リンパ節郭清の付加も必要であり,手術侵襲が過大となり,その適応は限定されるものと思われた.また如何なる手術術式でも外科治療にはおのずと限界があるのも事実であり,進行胆嚢癌にどこまでの拡大手術が必要かは手術侵襲の兼ね合いもあり,今後の検討課題である.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.