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特集 臓器全摘後の病態と管理
膵臓全摘後の病態と管理
Pathophysiology and management after total pancreatectomy
伊藤 俊哉
1
,
元島 幸一
2
,
山口 孝
2
Toshiya ITO
1
,
Koichi MOTOSHIMA
2
,
Takashi YAMAGUCHI
2
1長崎大学医療技術短期大学部
2長崎大学医学部第2外科
pp.1137-1145
発行日 1983年8月20日
Published Date 1983/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208401
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はじめに
近年,膵疾患殊に膵癌に対する診断技術の進歩により,また手術成績向上の目的で,膵全摘術が積極的に行われるようになつてきた.しかし膵全摘を必要とする患者はその全身状態が必ずしも良好とは言えず,手術術式そのものの侵襲も大であるので,手術操作に直結した術後合併症の発生頻度も低率とはいえない.また,膵全摘後の膵内外分泌機能の完全脱落による障害は,他臓器への二次的障害と複雑にからみ合い,その病態を画一的に論ずることは難しい.しかし長期生存例の報告も増加しつつあり,術後管理の方向性や問題点も徐々に明確になつてきた.
本稿では膵全摘術後の病態とその病態に即応した術後管理について,主として自験例から得た知見をもとに,術後経過を追つて経静脈栄養期,経静脈経腸併用期,経腸栄養期,並びに退院後に区分し,なるべく具体的に報告したい.
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