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特集 ショックをめぐる新しい話題
血液連鎖反応系(凝固系,キニン系,補体系)の測定値とその意味するもの
Interactions of the complement, clotting and kinin systems in shock
隅田 幸男
1
Sajio SUMIDA
1
1国立福岡中央病院外科
pp.33-38
発行日 1979年1月20日
Published Date 1979/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207087
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はじめに
生体内には重要な連鎖反応系がいくつもあつて,生体の恒常性維持の上で生化学的あるいは免疫学的機作によつて防御的に作動し合つている.ショックにおいてもこれら連鎖反応系は当然作動して,様々な病態を醸しだす.中でも凝固線溶系,キニン系そして補体系の三つは最も活発に作動する反応系であるといえよう.これら三反応系が活性化するのは何もショック時にのみ起こるわけではないが,相互に関連するところが多く,従来のように血管内凝固線溶(DIC)とか,エンドトキシンショック時の補体代行回路の活性化とか,膵炎時のキニン系活性化とかいうように別々に考え,診断と治療の方針をたてるよりも総合的に三反応系を考えてゆくことは必要なことであろう.
こういつたことに,すでに多くのショック研究者は気付いており,ショック時の測定項目に血小板やフィブリノーゲンのみではなく,FDP,補体(主としてC4とC3),そしてキニンやキニノーゲンが加えられ,普通に測定されるようになつてきている.著者はこの小文を通じてショックの診断と治療においてこの三大反応系のバランスのとれた考察が,治療成績をもう一息向上させるために大切であることを強調したい.
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