Japanese
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特集 ショックをめぐる新しい話題
術後敗血症からみた細菌性ショックにおける嫌気性菌の問題
Septic shock due to anaerobics in postoperative septicemia
石引 久弥
1
,
相川 直樹
1
,
安藤 暢敏
1
,
篠沢 洋太郎
1
Kyuya ISHIBIKI
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.39-46
発行日 1979年1月20日
Published Date 1979/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207088
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はじめに
外科領域で従来とりあげられてきた嫌気性菌感染症には破傷風,ガス壊疽,放線菌症があるが,最近になつて,病原性が臨床上問題にされていなかつた無芽胞嫌気性菌による感染症が注目されるようになつてきた.その理由の第1は手術適応の拡大に伴い,感染防御力の低下している条件,基礎疾患をもつ患者や,低下させる治療,処置をうけている患者を対象とする機会が増加してきたこと.第2は新しく開発され臨床応用されている合成ペニシリン,セファロスポリン,アミノ配糖体系抗生物質は好気性グラム陰性菌にすぐれた抗菌性を示すが,嫌気性菌に効果を期待しうるものが少ないため,これらの薬剤投与により,菌交代現象として嫌気性菌が浮び上つてきた点も考えられる.第3は臨床細菌学の進歩により,遊離酸素の存在下では増殖できない嫌気性菌の培養に適した簡便で確実な培地,培養法が関係者の努力により普及したためである.
このような嫌気性菌による感染症でも他の菌種によると同様に重篤な場合には細菌性ショックが発生するので,典型的な術後敗血症例の検討を通じて,嫌気性菌による細菌性ショックの問題点にふれたい.
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