Japanese
English
特集 乳幼児急性腹症—診断のポイントとfirst aid
緊急手術の適応—胆道,膵疾患
Indications for surgical emergency in infants and children with special reference to the diseases of biliary tract and pancreas
矢野 博道
1
,
松本 英則
1
,
吉成 元希
1
Hiromichi YANO
1
1久留米大学医学部小児外科
pp.693-703
発行日 1978年5月20日
Published Date 1978/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206951
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はじめに
乳幼児期に急性腹症として緊急手術を必要とする疾患は表1に示すように決して稀ではなく,殊に急性虫垂炎,腸重積症,イレウスなどは常に念頭に置くべき疾患であり(頻度が高い),また診断もさほど困難ではない.一方,乳幼児期の急性腹症としての胆道・膵疾患は比較的稀で,かかる症例に遭遇した際にこれらの疾患のあることを失念し,診断が遅延して治療に困惑することが少なくないと思われる.すなわち,乳幼児期の胆道・膵疾患に対しては現在、症例に対する不慣れ(認識の不足),諸検査の不備・非容易性,更に患児の表現の稚拙などによつて,必ずしもその診断は容易ではない(表2).
本文では小児の胆道・膵疾患の中でも比較的頻度の高い急性胆嚢炎,胆石症,特発性胆道穿孔,先天性胆道拡張症,急性膵炎などについて緊急手術の適応を中心に述べ,更に,自験例を分析して盲点とコツについても触れて,大方のご参考に供したい.
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