今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩
今日における食事療法
胆道系疾患,膵疾患
内藤 聖二
1
Seiji NAITO
1
1順天堂大学災害医学研究所
pp.612-613
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217118
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胆道系臓器(肝内胆管,総胆管,胆嚢)と膵臓系臓器(膵外分泌組織,膵内分泌組織)との間には解剖学的,生理学的ないくつかの共通する部分がある.総胆管末端部のほぼ4cmは膵頭部を貫通し,主膵管と合流して膨大部を形成し,あるいは主膵管と併行して十二指腸ファーター乳頭に開孔する.したがって主膵管と総胆管の両者の間に組織学的にも区別しがたい部分がある.また胆道系リンパ流の一部は,膵頭のリンパ流と合流する部分がある.
生理学的には消化管ホルモンであるCCK-Pz(コレチストキニンーパンクレオザイミン)は脂肪摂取によって小腸内CCK-Pz分泌細胞より分泌され,血流を介して一方では胆嚢を収縮させ濃厚胆汁を十二指腸に排泄させると同時に,オジー筋を調節し,一方では膵外分泌組織に作用して,膵酵素,重炭酸塩の分泌を促進させ消化作用としての膵液を十二指腸に排泄させる.
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