Japanese
English
特集 乳幼児急性腹症—診断のポイントとfirst aid
緊急手術の適応—虫垂炎
Appendicitis in infants and children
秋山 洋
1
,
中條 俊夫
1
,
佐伯 守洋
1
,
橋都 浩平
1
,
高橋 基夫
1
,
浅木 信一郎
1
,
渡辺 聖
1
Hiroshi AKIYAMA
1
1国立小児病院外科
pp.661-671
発行日 1978年5月20日
Published Date 1978/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206948
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はじめに
小児期虫垂炎は,成人に比較すれば,その頻度は必ずしも多くはないが,小児の急性腹症としては忘れることができない重要な疾患の一つである1).ことは言う迄もない.とくに若年児においては,明らかな訴えがないこと,症状が不定であること,種々まぎらわしい内科的疾患が存在し診断が困難であり,さらに炎症の進行が早く,虫垂壁が非薄で弱いため穿孔性腹膜炎になり易い2)と一般的に言われ,腹膜炎のために脱水,高熱等重篤な症状となつてから手術が行なわれる場合が少なくない.一方逆に,症状が不定のために開腹しても虫垂に殆んど炎症所見がみられないような場合にも遭遇する.従つて,本症を正確に診断し,適確な時期に手術を行なうのが理想であるにしても,特に乳幼児では容易なことではない.ここでは特に診断が困難である若年児虫垂炎について,われわれの経験例をまじえ,文献的考察を加え,診断面を中心にして述べる.
当然のことながら診断確定後は緊急手術の適応となる.
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