Japanese
English
臨床研究
大腸憩室疾患・大腸癌併存例の検討
Clinical study on the coexistence of diverticular disease and carcinoma of the large bowel
伊東 恭悟
1
,
村上 哲之
1
,
稲本 純三
1
,
熊倉 啓夫
1
,
高屋 誠章
1
,
松浦 喜美夫
1
,
松田 恵司
1
,
町田 純一郎
1
,
遠藤 正章
1
,
今 充
1
Kyogo ITOH
1
1弘前大学医学部第2外科
pp.439-444
発行日 1978年3月20日
Published Date 1978/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206922
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はじめに
大腸憩室疾患は欧米においてはすでに1920年代より症例が急に増加の傾向を示し,現在本疾患は大腸疾患の重要な位置を占めている.しかし,本邦においては1970年頃までまれな疾患とされてきたが,最近では増加のきざしがみられ,わが国での発生頻度は2.2〜9.2%1)とされている.一方,アフリカ原住民には極めてまれとされ,600人のバリウム検査,2,367人の剖検例にて本症を1例も見いだせなかつたとの報告2)もみられるほどである.しかし欧米への移住アフリカ人子孫からは大腸憩室疾患が高頻度にみられること,また高齢者に多くみられることも考えあわせるとき本症の発生には後天性ないし環境因子が関与しているものと思われる.
一方,大腸癌にも地域別発生頻度に大腸憩室疾患と同様な傾向がうかがわれ,食生活様式が大腸癌発生の重要因子の1つとして挙げられ,食生活においても欧米化しつつあるわが国においても両疾患は増加することが予想される.
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