消化管憩室の最近の話題
大腸憩室 大腸憩室炎の診断と治療
斉藤 裕輔
1
,
杉山 隆治
,
佐々木 貴弘
,
稲場 勇平
,
助川 隆士
,
小澤 賢一郎
,
垂石 正樹
,
村上 慶洋
,
花輪 真
1旭川市立旭川病院 消化器病センター
キーワード:
C-Reactive Protein
,
危険因子
,
結腸憩室炎
,
結腸切除
,
再発
,
白血球計数
,
年齢分布
,
腹部CT
Keyword:
C-Reactive Protein
,
Colectomy
,
Diverticulitis, Colonic
,
Leukocyte Count
,
Recurrence
,
Risk Factors
,
Age Distribution
pp.429-436
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016223469
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近年増加する大腸憩室の合併症としてもっとも頻度の高いものは大腸憩室炎であり,10~30%に認められ,外科手術を要する症例もある.大腸憩室炎画像診断のゴールドスタンダードはCT scanとされている.大腸憩室炎は若年群では右側結腸,高齢者群では左側結腸での頻度が高かった.憩室炎患者の血液検査においてWBC 11,000/mm3以上,またはCRP 8.5mg/dl以上の場合,入院治療を考慮する際の参考となる.大腸憩室炎の85%は保存的加療で治癒するが,左側憩室炎では右側憩室炎に比較して重症度が高く,膿瘍形成や瘻孔,穿孔などの合併症を伴う場合が多い.手術施行例の多くは左側大腸の膿瘍形成例であり,膿瘍形成が疑われる例では手術も念頭においた慎重な経過観察と治療が重要である.
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