Japanese
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特集 最近の手術材料と器具
代用皮膚
Temporary coverage of skin defect
八木 義弘
1
Yoshihiro YAGI
1
1順天堂大学医学部一般外科
pp.37-42
発行日 1978年1月20日
Published Date 1978/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206874
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はじめに
皮膚欠損部に対する治療としては,自家植皮,即ち自分の皮膚の一部で欠損部を被覆することが最も理想的である.しかし熱傷のような広範な皮膚欠損に対しては,すべてを一時的に被覆することが困難なことがしばしばあり,一時的に皮膚の代りになるもので欠損部を被覆せざるを得ない.即ちtemporary coverageの必要が生じて来る.
自分の皮膚に代りうるもの—代用皮膚—としての条件としては,
(1)組織に対して(主として肉芽創)異物反応が少ないかまたはないこと.
(2)肉芽面によく密着すること.
(3)皮膚に近い柔軟性を有すること.
(4)ある程度の弾力性を有すること.
(5)外界との間の隔壁を作りうること.即ち外部よりの細菌感染を防ぐこと.
(6)体液の喪失を防止出来ること.
(7)保存が容易であること.
(8)消毒が簡便であるかまたは消毒して保存出来るもの.
などのいくつかの条件をみたす必要がある.
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